徒然なる日記

家庭や仕事、社会について日々感じる事を書き連ねます。時には小説のような創作にも挑戦します。

大学等の教育無償化について

大学等の教育無償化が来年度以降、実現するという。

低所得者の家庭に生まれると、自らの力でそこから抜け出すのは難しいし、優秀であるのに経済的な理由のみをもって進学出来ないというのも可哀想ではある。

斯く言う自分も、低所得者ではないものの決して裕福な家庭に生まれた訳ではない。父は高校中退で母は中卒という両親ともに大学に行ってない影響もあるのか、正直あまり教育熱心な家庭でも無かった。大学進学に当たり父から出された条件は、「地元の国公立大学」ならば学費を出してやると言うもの。

私立大学でも行きたければ奨学金でも借りて行けと言う方針だった。愛知県在住のため、大学の数は多い訳ではない。関東の選択肢は消えた一方、関西は叔父が住んでいたため、下宿させて貰う等により交渉の余地を残した。結局、滑り止めとして立命館大学に合格していたが、地元の旧帝大に後期日程で何とか合格したため、そこに進学する事になった。

本音を言えば家庭に問題を抱えていた自分としては実家を出たかったが、奨学金を借りるリスクを考慮して実家に留まる決断をした。奨学金返済リスクについて昨今、学生への借金だ何だと叫ばれており、自分の選択としては間違っていなかった訳だ。とは言え当時は情報が不足しており、そうした意味でも苦しんでいる同世代は多い。

こう振り返ると、またしても我々世代の不遇を嘆く話になってしまった。

話を戻せば大学無償化により無用な借金を背負わずに勉学に励むことが出来るのは喜ばしい事ではある。そうは言っても生活費も必要だし、アルバイトで賄えるのか、やはり奨学金が必要なのかは人それぞれだろう。しかし、シルバー民主主義に邁進する我が国において、子供や若者に対して税金が使われるのは未来への投資と言う意味では良い事だし、むしろもっと使われても良いくらいだ。

今まで進学を考慮する時に、費用面から専門学校を選択してきた人達の中には、今後大学に行く人が一定数出て来るだろう。それは専門学校の経営へ打撃となる可能性がある。

専門学校が多い分野として、医療・介護・福祉系が挙げられるが、今までは私立大学の同じ分野の学部生と専門学校生はレベル的に大差ない印象だったが、今後は差が出て来るかもしれない。大学がそれに見合う教育をしてくれれば良いのだが、教員のレベルも何とも言えないから無理な話か。

政治家や官僚の皆さんには、是非とも長期的な視点に立って政策を立案して頂きたいと、切に願うばかりだ。